長雨,日照不足
     夏はどこへいった
                    …異常気象のメカニズムをさぐる

 しばらく続いていたエルニーニョ現象も解消したので,今年は本来の暑い夏が訪れるとの長期予報は見事に外れ,観測史上まれにみる,8月に入っての梅雨明け宣言。天気が最も安定していると言われる梅雨明け10日は連日曇りや雨模様。中旬になってやや回復の兆しが見えたのも束の間,日本近海で続々と発生する熱帯性低気圧の影響を受けて,再び連日の雨。焼けつくような真夏の太陽が輝くいつもの夏はどこへいってしまったのだろうか。甲府地方気象台の7〜8月の観測データーを調べてみても,今年の夏は例年に比べて日照時間が極端に短く,雨量は逆に多かったと言った異常ぶりが良く分かる。ところが,この夏の異常気象,どうも日本だけの現象ではなく全地球規模で拡がっているようだ。異常気象の原因はどこにあるのだろうか。

 ユーラシア大陸の東岸,大陸と海洋の狭間に長く伸びる日本列島の気候は,シベリア高気圧,オホーツク高気圧,揚子江高気圧,太平洋高気圧などと呼ばれている性質の違ういくつも気団の影響を受けて,四季折々に変化する。例年なら,冷湿なオホーツク高気圧と、暖湿な太平洋高気圧とのせめぎあいの結果として日本列島付近に停滞する梅雨前線のもたらす梅雨は,気温の上昇と伴に勢力を増す太平洋高気圧の張り出しによって衰え,太平洋高気圧が日本列島を広く覆った「鯨の尾型」と言う気圧配置になって真夏の晴天が長続きする。ところが,今年は例年なら伊豆諸島沖あたりにある太平洋高気圧の中心が,はるか北の北海道東方沖にあり,日本海から朝鮮半島方面に張り出して韓国に猛暑をもたらした。又,太平洋高気圧の中心が北に偏った結果,東日本の上空には,北極方面から非常に冷たい寒気が流れ込み,九州付近までを覆ってしまった。さらに北に移動した太平洋高気圧に引っ張られるようにして,例年ならフィリピン付近にある熱帯性低気圧(台風)の発生する場所が沖繩付近にまで北上し,日本近海で熱帯性低気圧が続々と発生するようになってしまった。このような原因が絡み合って,日本上空は湿って不安定な状態になり,次々に雷雲が発達して連日の雨をもたらしたと考えられている。

 では,太平洋高気圧を北に引き上げたのは何だったのだろう。これは,北半球の北緯30〜40度付近を通常西〜東へと直線的に流れているジェットストリームと呼ばれる強い偏西風が南北に大きく蛇行したことに求めることができる。ジェットストリームの蛇行が起こると,南の気団が大きく北に入り込んだり,北の気団が南に入り込んだりして,世界各地が異常気象に見舞われる。ジェットストリーム蛇行の真の原因はハッキリしないが,気温を上昇させる効果を持つ大気中の二酸化窒素濃度が地球の気候に影響を与えるまでに増加したため,地球全体の気候が徐々に変化する兆しだとの説もある。
 いずれにしても,かけがえのない私達の地球は閉ざされた系であり,地域や国境を越えて全体として見る視点を持たない限り,自分の首を自分の手でしめる結果に終わることを今年の夏は教えていたような気がする。
平均気温 最高気温の平均 最低気温の平均  雨 量   日照時間
 7月  23.5℃    28.1℃    20.5℃ 135.5o  113時間(74%)
 24.5    30.0     21.3 133.0  153
 8月  25.8℃    31.0℃    22.5℃ 187.0o  151時間(83%)
 25.7    31.4    21.8 127.3  181
今年の夏の気象データー 甲府気象台調べ 上段…今年( )例年比 、下段…例年
キンギンナスビ (金銀茄子)  Solanum Aculeatissimum  [なす科]
 グランドの東端,野球部のピッチングゲージのネット横にあるくさむらに数株集まって咲いているこの草をみつけた。キンギンナスビは熱帯アメリカ原産の帰化植物,同じ仲間の畑のナスにソックリの薄紫の小さな花をつけ,葉や茎にはするどい棘を持っている。「親の小言とナスビの花は百に一つの無駄もない」と諺にあるが,ナス科の花は自家受粉で受精するため,花の数だけ実をつける。

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