富士山麓には不思議がいっぱい
      溶岩樹型はどうして出来た
                  …剣丸尾の溶岩樹型をウオッチングしよう
 御坂山地越しに秀麗な姿を見せている富士山。その山麓には,独特な溶岩地形をはじめとして,世界中で,ここにしかない大変に貴重で珍しい自然が沢山ある。中でも,溶岩洞窟と溶岩樹型は,その数と規模において,世界のトップクラスにある。特に,今年,1年生諸君が宿泊研修会に出かける山梨県環境科学研究所や河口湖フィールドセンターの付近一帯は,溶岩樹型の宝庫とも言われる場所で,剣丸尾(けんまるび)溶岩流の上に発達した赤松林の中に一歩足を踏み入れると,さまざまなタイプの多数の溶岩樹型を見ることが出来る。
 溶岩樹型には,どのような種類のものがあり,どのようにしてできたのだろうか。溶岩樹型生成の仕組みを探ってみよう。
 流木型溶岩樹型











流木型溶岩樹型(河口湖フィールドセンター)

 横臥型溶岩樹型(河口湖フィールドセンター)

井戸型溶岩樹型(河口湖フィールドセンター)

溶岩樹形の内部(河口湖フィールドセンター)
 溶岩樹型は,流れやすい性質のある玄武岩質の溶岩を噴出する富士山やハワイのマウナロア火山などに見られる。溶岩樹型は,流れやすい溶岩が山麓に広がっていた樹海を流れ下る時に,樹木を巻き込み幹を取り込んで固まったもので,内部の樹木は完全に燃えつきてしまい,その跡が空洞になって出来ている。この時,木の幹が燃える時の熱によって,木に接している溶岩表面の流動性が増して樹皮や木の幹の割れ目に入り込んで固まると,樹木の表面の模様が生成した溶岩樹型内部の空洞に残されるようになる。
溶岩樹型の形成と溶岩樹型の種類
              …河口湖フィールドセンター「トレイル・マップ」より
 
 富士北麓の溶岩樹型は,剣丸尾溶岩流,鷹丸尾(たかまるび)・檜丸尾(ひのきまるび)溶岩流(ともに 937年頃の噴出)や青木ヶ原溶岩流(864年に側火山の長尾山から噴出)の末端の溶岩が薄くなった場所に多く見られる。環境科学研究所やフィールドセンター付近に見られる溶岩樹型は,富士山の8合目付近から噴出して,富士山の北〜北東斜面を1q程度の幅で富士吉田市のはずれ付近までの20q余りを流れ下った剣丸尾溶岩流の下流部分の端に位置している。溶岩樹型は同じ場所から数多く見つかる場合が多く,通常,溶岩樹型群などと呼ばれている。また,溶岩樹型の中には直径が2m以上にもなる巨大なものもあり,溶岩樹型が出来た場所は,溶岩が押し寄せる前には,樹齢が何千年にも達するような巨木が多数生えている現在の青木ヶ原樹海や剣丸尾溶岩上の赤松林のような場所だったことが推定できる。

 溶岩樹型は,大自然の中で,ごくまれにしか生み出されない貴重なもの。かつては,信仰の山,富士の麓にあり,神の住まう場所として大切に守られてきた溶岩樹型(○○胎内と呼ばれている)も,近年は,道路や建物建設のために破壊されたり,心ない観光客に内部の溶岩を持ち去られたりする災難にたびたび襲われ,危機に瀕している。溶岩樹型は,ただ珍しいというだけでなく,その生因をさらに研究する事で,高温で流れ下る溶岩流のコントロールにも使える貴重なもの。そんな意識をもって,実物の溶岩樹型を自分の五感で感じとってきて欲しい。
オオジシバリ   大地縛     Lactuca debilis    [きく科]
 家の近くに広がる田んぼの畔道で,細長く伸びて立っている花茎の先端に直径3p程度の黄色い花を付けているこの花を見つけた。
 同じ仲間のジシバリにくらべ,地面が見えない程密生しているへら状の葉も花も大きいので,オオジシバリと呼ばれている。
 この仲間は,細い茎を四方に伸ばして,ちょうど地面をしばりつけているように増えるところから,この名前が付いた。

トップページに戻る山梨高校編のトップページに戻るこのページの先頭に戻る