ようさん         つむぎ

養蚕と紬




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   養蚕て何?
  

クワという植物を栽培し、そのクワでカイコの幼虫を飼育します。その幼虫がさなぎになるときにまゆを作ります。そのまゆを人間が絹糸(きぬいと)などにして利用するわけですが、このカイコを飼育してまゆを生産する仕事を『養蚕(ようさん)』といいます。   
 人間は農業が始まる以前、山野に自然にできたものをとって食べ物や衣類などの原料にしていました。
その後、生活している場の近くで植物を栽培したり、動物を飼育したりするようになりました。養蚕も同じような過程をへたものと考えられます。
 養蚕が始まる前は、野生のカイコガの仲間のまゆを利用していましたが、まゆからとった糸(絹糸)が生活上役立つことを見いだして、しだいに重要な生活資源としていったのでしょう。野生のカイコを守り育てていた人間は、その収穫を確実なものにしようとしたとき、それを家に持ち帰って育て始めました。
 こうして養蚕ということが始まったのです。
                              (右写真は野生のカイコガの仲間のまゆ)

   紬とは?                                                           

 養蚕が産業として成立してくると、本まゆとよばれる正常なまゆは正絹の絹糸用に商品として出荷されました。一方、商品化できないくずまゆやいびつな玉まゆが出ると、それらは、農家の女性たちの手で『紬(つむぎ)』とよばれる布に織られて使われました。
 紬は、正絹のような光沢には欠けますが、独特のざっくりとした風合いがあります。軽くて長持ちする紬は、昔は普段着として自家用に用いられましたが、江戸時代後期には町人階級に好まれるようになり、明治後期ごろからはしだいに高級化してきました。     
 
(左写真は紬織物)
                             
                          

山梨県では、昔から養蚕がさかんでした。『甲斐絹(かいき)』とよばれる絹織物がたくさん出荷されました。そして紬も織られてきたのです。紬織物の中には、現在では『伝統工芸品(でんとうこうげいひん)』として伝えられているものもあります。                                                        













★この養蚕や紬について、くわしく見ていきましょう。

      養蚕(ようさん)


      紬(つむぎ)