2025年11月7日カテゴリー:

令和7年度 初任者研修会

 令和7年10月10日(金)と10月17日(金)に第10回初任者研修会を行いました。
 10日は前団の小学校の初任者を対象に、17日は後団の中学校・高校・特別支援学校・養護教諭・栄養教諭の初任者を対象に「防災教育」「博学連携」「情報交換会」をテーマに行いました。2学期に行う唯一の初任研でしたので、久しぶりの仲間との再会で笑顔や、少し安心したような表情が見られました。
 イントロダクションでは「子どもたちの資質・能力の育成のために、誰とどのように連携しましたか?」という問いに向き合いました。本日のテーマが「防災教育」「博学連携」ということもあり、自分自身やそれ以外の周囲との関わりに目を向けるような問いに対し、探究ノートにそれぞれの考えを綴りました。

 前団と後団の両方で「防災教育」に関しては富士山科学研究所の久保智弘様に講義をしていただきました。一般的な災害とされる地震や水害などをはじめ、山梨ならではの「富士山噴火」などに関する基礎的な知識を学ぶことができました。講義の後半に「クロスロード」というワークを3人組で行いました。「こういうとき、あなたならどうする?」というお題で仮想の災害状況に直面した時に、自分ならどのように行動するかを協議しました。初任者からも「この場合はどうなるのかな」「でも、こっちの人のことを考えると…」「私には決めるのは難しいなぁ」など、当事者になったつもりで自分事として防災教育について考えることができました。

 前団の博学連携に関しては、県立図書館からは副館長 小林健様、県立科学館からは事業統括 野副晋様、県立考古博物館からは学芸課教育普及担当 武井晴彦様と島田直美様に講師をしていただきました。後団に関しては、県立博物館から企画交流課 望月佑太朗様、県立文学館からは学芸課教育普及担当 内藤健様、県立美術館からは学芸課普及担当 内藤雅士様と遠藤和香様に講師をしていただきました。それぞれの施設から「博学連携」を行う意味や目的などをお話しいただき、その施設ならではの「学び」の在り方を提案していただきました。科学館の講義では科学マジックショーのように演示実験をしていただき、大きな驚きの声があがるなど、子供目線で科学館の一部を少し体験することができました。考古博物館の講義では初任者の代表が貸衣装を実際に着る体験をしたり、美術館の講義では「みるえ」というアートカードを使い「美術的な見方」をゲーム感覚で体験することができました。図書館や文学館や博物館の講義でも、その施設にある膨大な資料の活用方法などを中心に、イベントなども紹介していただきました。

 情報交換会では、前団を総合教育センター初任研担当の有賀拓也 指導主事が、後団を同じく鈴木高徳 指導主事がファシリテートを行いました。久しぶりの再会であり、またいつもと違うホームグループではないグループ編成になっているため、ちょっとしたアイスブレイクで場を温め、メインセッションへつなげていきました。メインセッションでは「2学期を振り返り、誰とどのような場面で、何のために連携してきましたか?」という問いをもとにペアワークで対話を行いました。イントロダクションの問いで考えた連携した場面の中から「1つに具体的にしぼり」、なぜその場面を選んだのか、それは何のためだったのか、その結果どうなったのかを探究ノートに綴って、その後15分間ペアで対話しました。次にペアを変えてクロスセッションを行いました。その際に、メインセッションで気づいた価値や、最初は見えていなかったものや、さらにはっきり自覚できたものなどに目を向けて対話を10分間行いました。この2つのセッションはとても活発に行われ、会場全体が熱気に満ち溢れていました。特に「何のために」連携をしていたのか、という部分に意識が向けられたのではと感じています。最後に、デービット・コルブの経験学習モデルの「経験→省察→概念化」にふれ、最後の「試行」の部分をリフレクションでできるようにして、情報交換会を終えました。

 リフレクションでは、「これからどんな連携を目指していきたいか」「連携にはどんな価値があるのか」という問いに向き合い、1日の全体の学びを振り返ることができる時間となりました。「連携はどこからはじまるのか」「連携の先に何があるのか」「連携と協働はどう違うのか」など新たな視点も示しつつ、残り2学期を頑張っていけるようお互いがエンパワメントできる声掛けをしてクロージングしました。

  次回は1月まで少し間が空きます。そして、いよいよ初任研も終盤を迎えます。ICTを活用した実践報告や1年間の成果と課題などをまとめる事前課題もあります。これらを「経験」を重ねるチャンスと捉え、それぞれが一歩前進した姿で次の研修会で再会できることを楽しみにしております。