山梨県総合教育センター > センターブログ > 901「新たな教師の学びによる次世代リーダー研修会」― 揺れながら、ここまで来た ― (902 管理職用「新たな教師の学びによる次世代リーダー研修会」) 2026年2月16日カテゴリー: センターブログ 901「新たな教師の学びによる次世代リーダー研修会」― 揺れながら、ここまで来た ― (902 管理職用「新たな教師の学びによる次世代リーダー研修会」) 6月、少し緊張した面持ちで始まった901研修会。 「何が起きるのか」「自分はやっていけるのか」。 手探りのまま始まった一年が、2月10日(火)、ひとつの大きな節目を迎えました。 ■ 見えたのは「答え」ではなく 最終日のホームグループ。そこにあったのは、単なる「実践の報告」ではありませんでした。 当初は「リーダーとして若手をどう変えるか」という外向きの悩みを抱えていた参加者が、回を重ねるにつれ、「自分がどう在るか」「どう背中を見せるか」という、自分自身の在り方へと焦点が変わっていきました。 「最初は、自分はこの研修にふさわしい人間ではないと思っていた。でも、対話を続ける中で、自分の中に『やりたいこと』がちゃんとあったのだと気づかされた」 そんな言葉が交わされていました。 また、ある参加者は、校内で教職員から出た意見に対して「そもそも、そこが本質的な問題なのか?」と悩み始めたと語ってくれました。目の前の課題をどう処理するかではなく、「原因はどこにあるのか」「本当に触れるべき場所はどこか」という視点で学校を見つめられるようになったのは、1年前にはなかった大きな変化でした。 ■ 「揺さぶられる」からこそ生まれたもの この研修は、決して「楽な学び」ではありませんでした。 「最初にゴールを提示されたら楽だったけれど、あえてそうではなかったからこそ、揺さぶられ、考え抜くことができた」 「参加するたびにモヤモヤが大きくなったけれど、そのおかげで、こんがらがっていた何かが、ようやく見えてきた」 参加者の皆さんが口にされたのは、あえて正解を与えない研修デザインへの信頼でした。 「いい研修だった」という感想で終わらせるのではなく、「いい気づきの時間だった。さて、ここからどう進もうか」と、心地よい悩みとともに前を向く姿がありました。 全4日間の日程に設けられた「間」の時間が、研修と日々の実践を溶け合わせ、学びをじっくりと醸成させていったのです。 ■ クロスセッションで見えたこと(他校の管理職×次世代リーダー) 4日目の午後。 これまで共に歩んできた次世代リーダーは、他校の管理職と出会うクロスセッションに臨みました。初めて対話する相手。立場も違う。経験も違う。 それでも、そこには、同じ問いに向き合おうとしてきた者同士が、互いの言葉に耳を傾けようとする姿がありました。 あるグループでは、「もう一歩踏み込んでいいですか」と確かめ合いながら対話が進んでいました。相手を尊重しながら、でももっと理解したいという願い。 予定していた時間では足りないほど、言葉が広がっていきました。 また、ある参加者は、この一年で、自分が変わってきていることに、戸惑いながらも気づき始めている、そんな話をしてくれました。 揺れている。 でも、確実に前に進んでいる。 それを受け止めようとする、管理職のまなざしもまた印象的でした。 もちろん、すべてがスムーズだったわけではありません。 管理職と次世代リーダーが対話するとはどういうことか。 聴くとはどういうことか。 探究している次世代リーダーとどのように関わるのか。 互いに探りながら進む場面もありました。 けれどその時間こそが、これまで学校の中では、なかなか持つことができなかった、本当の意味での「対話」だったのではないかと。 あるファシリテーターは、こう振り返っていました。 「投げかけを通して、その人が大切にしていることや葛藤が見えてきた。」 言葉が完全に整理されていなくても、「在り方」に触れようとするやり取りが、確かにそこにありました。 クロスセッションは、他校の実践を知る場ではありませんでした。 人を知る時間でした。 そして、同じように迷い、同じようによりよく在ろうとしている、仲間がいることに気づく時間でもありました。その気づきはきっと、参加者がそれぞれの学校へ戻ったあとも、ふとした瞬間に、また一歩踏み出す力になるはずです。 ■ そして、自校の管理職との協働探究へ 他校の参加者との対話を終えたあと、次に向き合ったのは、自校の管理職でした。 同じ学校に身を置きながらも、立場が違えば、見えているものや感じていることは、少しずつ違っているかもしれない相手。だからこそ、「在り方」を手がかりに語り合う時間は、これまでほとんどなかったのかもしれません。場の空気が、ほんのわずかに変わったように感じました。互いの言葉を重ねていく中で、すべてが整理されたわけではありません。 すぐに何かが決まるわけでもありません。 それでも、相手がどんな思いでそこに立っているのかを、考えようとする姿がありました。 その時間が、二人のあいだに何かを残していたとしたら、それはきっと、これからゆっくり形になっていくものなのかもしれません。 ■ まだ途中 この研修は「終わり」ではありません。 答えを手にしたというより、「問い続ける場所に立ち続けている」。 参加者の皆さんの姿からは、そんな意志を感じました。 一年かけて重ねてきた対話は、次の一歩を生み出す力を確かに残してくれました。 これは、それぞれの現場で続いている探究が、また新たな形で歩み続けていくための「通過点」なのだと思います。 ■ 担当として この一年、揺れながらも問いを手放さず、共に歩んでくださった皆さんに心から感謝しています。 また、多くの次世代リーダーたちが、しなやかに変容していく姿を間近で見届けることができ、大変うれしく思っています。皆さんの姿は、これからの学校を支える確かな力になると信じています。 ■ そして、次へ 本研修は、正解を持ち帰る場ではありません。 共に考え、悩み、自分の在り方を問い続ける場です。 「自分は、こんなところまで考えられるんだ」 一年後、そんな自分に出会いたいと思っている皆さん。 次は、あなたの探究が始まる番です。
6月、少し緊張した面持ちで始まった901研修会。 「何が起きるのか」「自分はやっていけるのか」。 手探りのまま始まった一年が、2月10日(火)、ひとつの大きな節目を迎えました。
■ 見えたのは「答え」ではなく
最終日のホームグループ。そこにあったのは、単なる「実践の報告」ではありませんでした。
当初は「リーダーとして若手をどう変えるか」という外向きの悩みを抱えていた参加者が、回を重ねるにつれ、「自分がどう在るか」「どう背中を見せるか」という、自分自身の在り方へと焦点が変わっていきました。
「最初は、自分はこの研修にふさわしい人間ではないと思っていた。でも、対話を続ける中で、自分の中に『やりたいこと』がちゃんとあったのだと気づかされた」
そんな言葉が交わされていました。 また、ある参加者は、校内で教職員から出た意見に対して「そもそも、そこが本質的な問題なのか?」と悩み始めたと語ってくれました。目の前の課題をどう処理するかではなく、「原因はどこにあるのか」「本当に触れるべき場所はどこか」という視点で学校を見つめられるようになったのは、1年前にはなかった大きな変化でした。
■ 「揺さぶられる」からこそ生まれたもの
この研修は、決して「楽な学び」ではありませんでした。
「最初にゴールを提示されたら楽だったけれど、あえてそうではなかったからこそ、揺さぶられ、考え抜くことができた」 「参加するたびにモヤモヤが大きくなったけれど、そのおかげで、こんがらがっていた何かが、ようやく見えてきた」
参加者の皆さんが口にされたのは、あえて正解を与えない研修デザインへの信頼でした。 「いい研修だった」という感想で終わらせるのではなく、「いい気づきの時間だった。さて、ここからどう進もうか」と、心地よい悩みとともに前を向く姿がありました。 全4日間の日程に設けられた「間」の時間が、研修と日々の実践を溶け合わせ、学びをじっくりと醸成させていったのです。
■ クロスセッションで見えたこと(他校の管理職×次世代リーダー)
4日目の午後。
これまで共に歩んできた次世代リーダーは、他校の管理職と出会うクロスセッションに臨みました。初めて対話する相手。立場も違う。経験も違う。
それでも、そこには、同じ問いに向き合おうとしてきた者同士が、互いの言葉に耳を傾けようとする姿がありました。
あるグループでは、「もう一歩踏み込んでいいですか」と確かめ合いながら対話が進んでいました。相手を尊重しながら、でももっと理解したいという願い。
予定していた時間では足りないほど、言葉が広がっていきました。
また、ある参加者は、この一年で、自分が変わってきていることに、戸惑いながらも気づき始めている、そんな話をしてくれました。
揺れている。
でも、確実に前に進んでいる。
それを受け止めようとする、管理職のまなざしもまた印象的でした。
もちろん、すべてがスムーズだったわけではありません。
管理職と次世代リーダーが対話するとはどういうことか。
聴くとはどういうことか。
探究している次世代リーダーとどのように関わるのか。
互いに探りながら進む場面もありました。
けれどその時間こそが、これまで学校の中では、なかなか持つことができなかった、本当の意味での「対話」だったのではないかと。
あるファシリテーターは、こう振り返っていました。
「投げかけを通して、その人が大切にしていることや葛藤が見えてきた。」
言葉が完全に整理されていなくても、「在り方」に触れようとするやり取りが、確かにそこにありました。
クロスセッションは、他校の実践を知る場ではありませんでした。
人を知る時間でした。
そして、同じように迷い、同じようによりよく在ろうとしている、仲間がいることに気づく時間でもありました。その気づきはきっと、参加者がそれぞれの学校へ戻ったあとも、ふとした瞬間に、また一歩踏み出す力になるはずです。
■ そして、自校の管理職との協働探究へ
他校の参加者との対話を終えたあと、次に向き合ったのは、自校の管理職でした。
同じ学校に身を置きながらも、立場が違えば、見えているものや感じていることは、少しずつ違っているかもしれない相手。だからこそ、「在り方」を手がかりに語り合う時間は、これまでほとんどなかったのかもしれません。場の空気が、ほんのわずかに変わったように感じました。互いの言葉を重ねていく中で、すべてが整理されたわけではありません。
すぐに何かが決まるわけでもありません。
それでも、相手がどんな思いでそこに立っているのかを、考えようとする姿がありました。
その時間が、二人のあいだに何かを残していたとしたら、それはきっと、これからゆっくり形になっていくものなのかもしれません。
■ まだ途中
この研修は「終わり」ではありません。 答えを手にしたというより、「問い続ける場所に立ち続けている」。 参加者の皆さんの姿からは、そんな意志を感じました。
一年かけて重ねてきた対話は、次の一歩を生み出す力を確かに残してくれました。 これは、それぞれの現場で続いている探究が、また新たな形で歩み続けていくための「通過点」なのだと思います。
■ 担当として
この一年、揺れながらも問いを手放さず、共に歩んでくださった皆さんに心から感謝しています。 また、多くの次世代リーダーたちが、しなやかに変容していく姿を間近で見届けることができ、大変うれしく思っています。皆さんの姿は、これからの学校を支える確かな力になると信じています。
■ そして、次へ
本研修は、正解を持ち帰る場ではありません。 共に考え、悩み、自分の在り方を問い続ける場です。 「自分は、こんなところまで考えられるんだ」 一年後、そんな自分に出会いたいと思っている皆さん。 次は、あなたの探究が始まる番です。